Heritage

Lincoln Heritage

なぜ、リンカーンはリンカーンであり続けられるのか。なぜ、他の車とは一線を画する、特別な存在であり続けられるのか。それは、リンカーンを築き上げてきた者たちの情熱と、車づくりに対する信念が、脈々と受け継がれてきたからに他なりません。
芸術的感性に磨き上げられた、革新的なデザイン。厳格なクラフトマンシップによって築かれた、確かな品質。この双方を高次元で融合させ、その上で進化を遂げてきたからこそ、いつの時代も自らの夢を切り拓いてきたオーナーたちに、比類なき歓びと感動を与え続けることができたのです。その全身には、時代を超えた情熱と信念が、確かに息づいています。

厳格な技術者ヘンリーリーランド

20世紀初頭、精密機械技術者としてのキャリアを持ち、品質、性能において厳格な基準を設けた、デトロイト屈指のエンジニアがいました。後にリンカーンモーター・カンパニーを創業するヘンリー・リーランドです。当時の乗用車の多くは、リーランドが開発したエンジンとトランスミッションを搭載しました。さらにリーランドは、互換部品コンセプトの推進、また電動セルフ・スターター、アメリカ初となる90度 V8エンジンといった業界初の試みにも尽力しました。

1890年、自ら工作機械の会社を立ち上げたリーランドは、彼が培ってきた精密技術を、自動車産業という分野に活かそうと考えます。 1917年にはリンカーン・モーター社を誕生させますが、第一次世界大戦が勃発し、一時計画を中止せざるをえない状況にまで追い込まれました。しかし、政府からリバティ・モデル航空機用のエンジン供給の契約を獲得すると、そのエンジンの耐久性と性能面において好評を博し、リンカーン・モーター社は航空機エンジンの生産数において記録を樹立し成功を収めました。

そして、1920年、リーランドの高い品質基準とクラフトマンシップによって、リンカーン・モーター社初の60度V8エンジンを搭載した乗用車が誕生しました。同時に、彼の高度な技術力は、アメリカのモータリゼーションに旋風を巻き起こしました。それは、アメリカの自動車業界を代表する起業家としてのヘンリー・フォードの気持ちまでも揺れ動かしたのです。